H28年7月6日(水)中央支部と中央区商工振興委員会合同で視察研修会をおこないました。
お茶の生産地の北限とされ、『色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす』という茶づくり歌があるように、古くから味に定評がある「狭山茶」は皆さんご存知だと思います。
でも生産されているのは煎茶で、関東で唯一抹茶を製造している碾茶(てんちゃ)工房「明日香」を訪れました。
最初に茶の種類である「煎茶」と「抹茶」の製造工程の違いについて説明を受け、煎茶は加熱しながら〝揉み〟により針状に、抹茶は蒸して乾燥し室で保存後、秋に〝挽き〟で粉状に仕上げるそうです。
その挽きたてのお茶を茶道では、「口切の茶事(11月に茶壺の口を切って新茶をいただく)」という特別な茶事で使用し、茶道に関わっている方々に愛されています。
茶葉の栽培も、碾茶は「玉露」と同じで遮光しながら育てるため、農家と生産契約をして品質の維持をしています。
また、挽く作業も京都で昔ながらの石臼で熱を与えないように抹茶にしているそうです。
その後、川越で昔ながらの天然醸造を続ける「松本醤油」と日本酒「鏡山」を見学いたしました。
「はつかり醤油」のブランドで醸造される醤油は、天保元年建造の『天保蔵』に昔からずっと蔵に棲んでいる「蔵酵母」が、丹精込めて育てられた国産の小麦と大豆を用いた麹に日々じっくりと深みを与えます。
その蔵の酵母菌を維持するため、修繕などの蔵の維持には大変苦労したそうです。
出来た「諸味(もろみ)」は袋状にした布に入れ、それを何層にも積み重ねることにより、自然の重みでろ過されていきます。
絞り出たものが「生醤油」と言われ、火入れをして完成となるのです。
出来た製品は大半が料理店など昔からの取引先に行くそうですが、TVなどのメディアに取り上げられると、食品専門店やコンビニ大手からのコラボの企画で販売には大変な思いもしたそうです。
また「鏡山」は、平成12年に廃業した蔵を再興し、復活させたそうです。
日本一狭いという酒蔵は、平均年齢30歳の蔵人により支えられ手作業で酒造りをしています。
「はつかり醤油」や関連商品の「ドレッシング」など、そして「鏡山」は「醸ん楽座(かもんらくざ)」で販売をしておりますので、みなさま川越にお越しの際はぜひお立ち寄りください。
埼玉県川越市仲町10-13 ℡ 049-222-0432